靴紐縛るから先行ってて

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「フォックスキャッチャー」シネマライズ ★★★☆☆

「フォックスキャッチャー」シネマライズ ★★★☆☆

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フォックスキャッチャー 予告篇 - YouTube

 

「フォックスキャッチャー」 劇場公開日 :2015年2月14日

 

マネーボール」「カポーティ」のベネット・ミラー監督が、1996年にアメリカで起こったデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンによるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を映画化し、2014年・第67回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したサスペンスドラマ。ロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得したレスリング選手マーク・シュルツは、デュポン財閥の御曹司ジョンから、ソウルオリンピックでのメダル獲得を目指すレスリングチーム「フォックスキャッチャー」に誘われる。同じく金メダリストの兄デイブへのコンプレックスから抜けだすことを願っていたマークは、最高のトレーニング環境を用意してくれるという絶好のチャンスに飛びつくが、デュポンのエキセントリックな行動に振り回されるようになっていく。やがてデイブもチームに加入することになり、そこから3人の運命は思わぬ方向へと転がっていく。「40歳の童貞男」のスティーブ・カレルがコメディ演技を封印し、心に闇を抱える財閥御曹司役をシリアスに怪演。メダリスト兄弟の兄をマーク・ラファロ、弟をチャニング・テイタムが演じた。

 

スタッフ

監督:ベネット・ミラー

製作:ミーガン・エリソン

   ベネット・ミラー

   ジョン・キリク

    アンソニー・ブレグマン

 

キャスト

スティーブ・カレル:ジョン・デュポン

チャニング・テイタム:マーク・シュルツ

マーク・ラファロ:デイブ・シュルツ

バネッサ・レッドグレーブ:ジーン・デュポン

シエナ・ミラー:ナンシー・シュルツ

 

作品データ

原題:Foxcatcher

製作年:2014年

製作国:アメリカ

配給:ロングライド

上映時間:135分

映倫区分:PG12

オフィシャルサイト:フォックスキャッチャー

 

受賞歴

第67回 カンヌ国際映画祭(2014年)

第72回 ゴールデングローブ賞(2015年)

第87回 アカデミー賞(2015年)

 

(以上、フォックスキャッチャー : 作品情報 - 映画.comより引用) 

 

「フォックスキャッチャー」シネマライズ

評価:★★★☆☆

 

シネクイントで「はじまりのうたの」鑑賞後、そのまま向かいのシネマライズで「フォックスキャッチャー」を鑑賞。

上映前にチラシを見ていると…、マーク・ラファロ!これが?!さっきと全然違うじゃないか!

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劇中は終始、重苦しい雰囲気で、音楽もほとんどなく、会話の数も少ない。色も薄暗く、身の毛がよだつ。擬音でいうなら「ズーーン。」って感じ。

アカデミー賞は、監督賞、脚本賞、メイクアップ・ヘアスタイリング賞、スティーブ・カレルが主演男優賞にノミネート。残念でした…。

スティーブ・カレルってのは老けメイクだったのですね。

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チャニング・テイタムのみ格闘技経験はあるそうですが、皆さんレスリング経験は無いようです。映画の為に練習したらしく、素人目からしたら完璧なレスリング選手でした。見た目もそっくりだ。

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ジョン・デュポンは、デュポンという化学会社の資産相続人。テフロン、ナイロン、これはデュポン社の開発した化学物質です。元々は火薬製造会社で、戦争で大儲け。批判も多く、一般の化学製品への協力も始めた。で、今や世界規模の会社。

地位も名声もある、ジョン・デュポン。

予告編で「なぜ大財閥の御曹司は、オリンピックの金メダリストを殺したのか?」と。地位や名声はどう人を変えたのか?ジョン・デュポンとは一体どういう人なのか?

実話です…。

 

〈 以下、ネタバレします。 〉 

 

デュポンは相続した広大な土地をレスリングアメリカ代表の公式練習場にすべく、「フォックスキャッチャー」というレスリングチームを結成。強化の為、バルセロナ五輪金メダリストの兄弟、弟のマーク・シュルツと兄のデイブ・シュルツに招集をかけるのです。

住む場所も与えられ、充実した練習場も用意され、マークはデュポンの下で練習をすることを決めます。

マークは兄のデイブにもフォックスキャッチャーへ来るよう説得をするも、家庭があるので断ります。デイブは気づいていたのでしょうね。「デュポンは何が望みなんだ?」と。良い予感はしないと。さすが兄ちゃん!

 

ずっと兄のデイブと一緒にレスリングをやってきたマーク。試合に勝っても、兄の指導のおかげ、なんて言われ、兄の存在が少し邪魔でした。

そんなマークの思いに漬け込むように、デュポンはマークを上手く支配していくのです。マークも兄から離れ、デュポンの下で、活き活きと練習ができる。

おかげで、マークは大会でも優勝し、さらにデュポンに気に入られます。

勝利後に、セコンドのデイブではなく、客席のデュポンと真っ先に抱き合ったマーク。その様子にデイブは「ヤバイ。弟が支配されている…。」、そんな面持ちだったでしょう。

 

コイツ、いや、デュポン、ちょっとおかしいんですよ。狂ってるというか。

夜の真っ暗な練習場にマークを呼び出し、「さあ夜の練習だよ。」って感じで体を擦り付け息を荒げる。ん?性欲処理?

戦車を購入して、「ん?あれ?◯◯◯◯(戦車に搭載する銃)が付いてないじゃねーか!いらねーよこんな戦車!」って怒鳴ったり。

練習場で拳銃をぶっ放し喝を入れたり。

 

マークはチームの中でも特別視されています。レスリングが強い、可愛がる理由はそれだけじゃないみたい。

デュポンには地位と名声があります。それと同時に、孤独もあるのです。

レスリングで勝っても母には認めてもらえない。デュポンは唯一の身内である母に優勝の報告をし、「ママ、僕こんなに頑張ってるよ!」という感じで、練習風景を見せるも、「下品なスポーツ」と一蹴。

幼い頃の唯一の友達が母に金で買われていたという酷い経験も。

そんなデュポン、マークを唯一の友として見ていたのです。指導者と練習生という関係ではなく、デュポンはマークに「私たちは友達だ」と言っていましたから。

 

ただ、母に認めて欲しい、という気持ちはやはり大きく、今の現状に満足できない苛立ちから、休憩するマークを理不尽にも引っ叩くんです。「恩知らずの猿め!」と吐き捨て。

そして、チームのさらなる強化を目指し、デュポンは大枚をはたき、デイブがついにフォックスキャッチャーへ。

早速デイブはマークの異変に気付きます。「デュポンと何があった?」と。さすが兄ちゃん!なんでもお見通し。

でも、「兄貴のアドバイスはいらない!」と。マークはデュポンと亀裂が入り、兄も突き放し、大会で試合に負け、悔しさから部屋で大暴れ、暴飲暴食してしまうのです。そこに駆けつけたのが…、さすが兄ちゃん!

残りの試合に勝てばチームの優勝も可能性がある。しかし、暴飲暴食のせいで体重制限に引っかかる。口に指を入れ嘔吐し、エアロバイクで減量、様子を見に来たデュポンにデイブは「ここは兄である俺に任せてください!」と。「お前は引っ込んでてくれ!悪の支配者め!」って気持ちでしょう。

 

デイブのおかげで、なんとか体重もクリアし、試合にも勝ち、チームの優勝。 

デュポンは「俺のマークがデイブに取られた…。」と。母の死も重なり、再び孤独に。

孤独でなはいことを証明すべくドキュメンタリーを撮影し、デイブに「デュポンは師です」と言わせる。しかし、その言葉に真意を感じられなかったデュポンは後日デイブに発砲し殺害。

 

名声と地位と孤独がデュポンという人間に心の闇を作りだしたんです。

「フォックキャッチャー」、キツネを捕まえる犬のことです。犬のようにマークを飼い、金メダルというキツネを捕まえる。

 

マークがレスリングではなく総合格闘技の試合に挑むシーンで終わります。途中にテレビに映る総合格闘技を否定するシーンもあるんです。

なぜ総合格闘技に移ったか。兄の死の苦しみからでしょうか。