靴紐縛るから先行ってて

映画を見て思ったことを書いています

「SOMEWHERE」DVD ★★★★★

「SOMEWHERE」DVD ★★★★★

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映画 『SOMEWHERE』 予告編 - YouTube

 

「SOMEWHERE」 劇場公開日:2011年4月2日

 

ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラ監督が、父フランシス・フォード・コッポラとの思い出や、2児の母となった自らの経験を投影して製作。第67回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した。米ロサンゼルスにあるスター御用達の有名ホテルを舞台に、派手なセレブライフをおくる映画スターのジョニー・マルコが、離婚した妻のもとで育った11歳の娘と再会し、人生を見つめ直す姿を描く。

 

スタッフ
監督:ソフィア・コッポラ

製作:G・マック・ブラウン

   ロマン・コッポラ

   ソフィア・コッポラ

製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ

 

キャスト

スティーブン・ドーフ:ジョニー・マルコ

エル・ファニングクレオ

クリス・ポンティアス:サミー

ミシェル・モナハンレベッカ

ベニチオ・デル・トロ:セレブリティ


作品データ

原題:Somewhere

製作年:2010年

製作国:アメリカ

配給:東北新社

上映時間:98分

映倫区分:G

 

受賞歴

第67回 ベネチア国際映画祭(2010年)

 

 (以上、SOMEWHERE : 作品情報 - 映画.comより引用)

 

「SOMEWHERE」DVD 評価:★★★★★

 

「一番好きな映画は?」と訊かれると必ずこの映画を答えます。でも、その理由を聞かれると明確な答えが分からないです。「SOMEWHERE」は年に何回か定期的に観る映画なのですが、それは好きだからというのは勿論、何故この映画が好きなのかを突き止める為に観ているのかもしれません。

 

賛否ある映画だと思います。否の方が多いかもしれません。物凄くシンプルな内容で、一見眠くなる退屈な映画のよう。でも、何故か最後まで観ていられる魅力がそこにはあります。会話量もBGMも少なく、固定カメラが多く画変わりもせず、途中伏線のように思える場面も特に後に繋がるわけではない。「ここそんなにいる?」と無駄に思える場面もある。

 

何も起こらない映画、ただ単に父と娘の生活を見ている、でも飽きない。「何だろうこれ…」と、何かが足りないような、少し寂しいような、この映画を観て感じるこの気持ちこそ、主人公の気持ちを表し、映画の真意かと考えます。

 

映画というよりも、映像作品、アートに近いとの見方もできると思います。全ての場面が、色合いや音楽で淡く飾られたそれはまさにアートのようです。そこはやはり監督がソフィア・コッポラであること。ファッションデザイナーであり、最新作の「ブリング・リング」でもファッションを絡めており、ファッション・アートに強い人物です。昨年秋にはGAPのプロモーションムービーを手掛けたりと。


【動画】ソフィア・コッポラが監督したGapのホリデーキャンペーン | GQ JAPAN

 

また、エル・ファニングの可愛さが映画で際立っています。私はこの映画で彼女を好きになりました。彼女を見ているだけでもこの映画を十分楽しめるでしょう。

 

 

以下ネタバレします。

 

妻と別居中(離婚?)の俳優のジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、自堕落な生活を送っています。酔って階段から転落し左腕を骨折、部屋にポールダンサーを呼び、信号待ちで隣に来た美人の車を後をつける。ある朝起きると左腕のギプスには「Cleo(クレオ)」と落書きが。目を開けると娘のクレオエル・ファニング)が。クレオを1日預かることになり、クレオアイススケートの練習を見て、車に一緒に乗って会話をする。

   ジョニー 「  スケート上手だな。いつ始めたんだ?  」

   クレオ  「  もう3年経つよ。  」

娘のことを何も知らない父親。

娘と別れた後も、パーティーで出会った女と寝たり、仕事帰りに愛人の家に寄ったり、向かいの部屋の女を引っ掛けたりと、相変わらずなジョニー。しかし、タオル一枚で向かいの部屋から出てきたジョニーの部屋の前には休日で遊びに来たクレオの姿が。

   クレオ  「  向かいの部屋でシャワー?部屋のは?  」

   ジョニー 「  ああ、お湯の出が悪くて…。  」

クレオは父が人気俳優で、女にだらしないことも分かっている模様。大人な対応なクレオ

一緒にゲームをし、ご飯を食べ、すると、妻から「家を空ける」と電話があり、しばらくクレオを預かることに。クレオと同行することになった出張先のイタリアでも、ジョニーはクレオが寝た後に部屋に女を連れ込むだらしなさ。さすがのクレオもジョニーを睨みつける。ドレスアップしたクレオは笑顔で授賞式に出席し、ジョニーは娘との時間を優先して食事会をすっぽかし、帰国。見かけた女性グループの服装のダサさを2人で笑ったり、クレオを持ち上げて飛行機ごっこをしたり、プールで遊んだり、2人は友達のような親子へと距離が縮まっている。しかし、2人はお別れ。キャンプへとクレオを送る道中、クレオは泣き出します。

   クレオ 「  ママはいつ戻るの?

          パパは忙しい。    」

抱き寄せることしかできないジョニー。

別れ際、ヘリコプターの音に掻き消される中、

    ジョニー 「  そばにいれなくてごめん。  」

と一言。

しばらく一緒に過ごした娘が居なくなり、空っぽになったような部屋。空っぽになったようなジョニーの心。

泣きながら前妻に電話し、

    ジョニー 「  俺は空っぽの男だ。

            何者でもない。

            どうすればいいんだ?

            望みは、ただ…。    」

と泣きながら弱音を吐く。

キーを挿しっぱなしのフェラーリから降り、どこかへ歩いていく場面で映画は幕を閉じます。

 

フェラーリがぐるぐると同じ道を走るシーンから始まります。「迷走」しているジョニーの心情の表現でしょうか。

エレベーターの会話も、夜にベランダから見た看板、仕事に向かう際に見かけた事故、次作の型取、マッサージ、どういう意味だろうと疑問を持つ場面ばかり。どこかに結びつく伏線ではないようです。おそらくマークの心情をあらわいしているのかと思います。

 

ひとつひとつの場面にどのような意味があるかを考えながら観る面白さがあります。まだ、全てを理解できていない私は、これからもこの映画を観続けます。仮に全ての意味が理解できても、この映画を観続けると思います。それほど好きな作品です。心が「どこか」へ行ってしまった時は、この映画の美しさに浸りたいです。